2007.4月号

●今週の鳥肌店

中野「路傍」

●今週のおすすめ

中野「Brasseries風馬」 「菜華」

●今週の裏メニュー

「中野と飲み屋とお笑い芸人」

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鳥肌店のある街
第1回 中野
第2回 中野
第3回 高田馬場
第4回 高田馬場
第5回 銀座
第6回 新橋
第7回 神田
第8回 神田
第9回 池袋東口
第10回 池袋西口
第11回 鶯谷
第12回上野・御徒町・湯島
第13回上野・御徒町・湯島
第14回 茅場町
第15回 新宿
第16回 新宿
第17回 蒲田
第18回 赤羽
第19回 下北沢
第20回 下北沢
第21回 恵比寿
第22回 東武練馬
第23回 門前仲町
第24回 浅草


カレーサミット
ラーメンサミット


photo by Shigeki Watanabe


このメニューの凡例

いい店って、どんなものか考えてみた……。
そう、美味しい料理を提供してくれる店がいいに決まっているけど、でもね、料理がちょいと不出来でも、主人、女将さんの 人柄がよければ、これもいい店じゃないかな。また、流行の食材、料理手法を多少は取り入れるけど、そればかりに終始せず、 基本の料理がしっかりしている店もいいね。

一年経ったら様変わりしている店なんていうのは、都心、地方都市のターミナル駅近辺に多く見受けるけど、やはり、 その土地にどっしりと根を張り、いつ訪れても変わらない安心感のある店や、いい素材を使っていても、やたら声高に嘯(うそぶ) かない店もいいよね。居酒屋、赤提灯、またはバーの場合、粋な大将、マスター、ちょいと色気や、肝っ玉のある女将さんや ママがいる店とか、地方なら、地元民が楽しそうにたむろしているとか、地の物をメニューに加えているような店で飲みたいよね。

和、洋、中、その他のエスニック料理屋問わず、前述のような事柄が当てはまると思うんだけど。なんていうか、日本人が無意識に 感じている普遍的な味わい、接客姿勢が、僕たちにとって心地いい店って感じるんだと思う。

美味しい食べ物は、職人の腕の良し悪しっていうのが確かにあるけど、なんと言っても「美味しいものを食わせてやるぞ」という、 作り手の愛情が溶け込んだ料理が一番。僕はこのページを通して、そんな店に出会って行きたいし、また、みんなに美味しくて 心地よい店を紹介していきたいと、不肖ながら思っている。

ああ、腹が減ってきた、今日のゴハンは何にしようかな?


食通、小野員裕氏が様々な「鳥肌の立つ店」をナビゲートするこの企画。記念すべき第1回・第2回に彼が選んだのは、 東京・中野。
中野にある飲食店は800以上。代名詞ともいえる「中野ブロードウェイ」まで、駅北口から伸びるサンモールアーケード街を 中心に、多くの店が立ち並んでいる。ひょいと路地裏に入れば、赤提灯、キャバクラ、ラーメン屋に焼肉屋と、色とりどりの看板が ひしめきあう、雑多なパワーに満ち溢れた街だ。
その中から小野氏がおすすめするのは、どれもが味わい深い名店ばかり。 行き慣れたチェーン店もいいけれど、たまには粋な大人が通う店ものぞいてみては? いざゆかん、路地裏のワンダーワールドへ!

小野員裕(おの かずひろ)
1959年、北海道に生まれ、東京で育つ。文筆家、出張コック、フードプロデューサー。横濱カレーミュージアム初代名誉館長。 鉄の胃袋を武器に放浪先の大衆食堂、大衆酒場に足繁く出入りするかたわら、カレー伝道者としてカレーの醍醐味についての 布教を地道に続けている。著書に『東京カレー食べつくしガイド104/380店』(講談社)、『週末はカレー日和』(ぴいぷる社)、 『週末は鍋奉行レシピで』(創森社)、『立ち飲み酒』(共同執筆、創森社)、『魂のラーメン』(プレジデンド社)、『ラーメンのある町へ』 (新潮社)、『カレー放浪記』(創森社)など
[路傍]
[Brasseries風馬]
[菜華]