2007.8月 File.02

●今週の鳥肌店

新宿
「上海小吃」

●今週のおすすめ

新宿
[ゴールドラッシュ]
[永坂更科]

●今週の裏メニュー

「酒に酔い、店に酔い、歌に酔う」

photo by Shigeki Watanabe

メニューは600種類以上
大勢で飲み食いするのが楽しい店

歌舞伎町は胡散臭い界隈だ。場所によっては呼び込みに誘われて、女のつく店に入れば、必ず法外な金銭を要求される。実際被害にあった友人を何人も知っている。でも、そんな生きるために貪欲な姿をさらけ出した街だから面白いんじゃないかな。危うい匂いに満ち溢れた歌舞伎町の路地裏は、どこかモノクロ写真のような色合いに画一されている風情だ。

そんな雰囲気に馴染んだ中華料理屋がある。場所は「風林会館」から1分ほど、区役所通りと並行する一本横丁の、さらに怪しい路地裏、中国料理屋らしく派手な極彩色の入口には、童男童女の中国人形が出迎えてくれる。

「イラッシャイ、オクアイテルヨ」

ちょいと鼻にかかった甲高いアニメ声の上海出身の名物店長、通称、玲子さん。かつて6人で予約を入れたのだが、店に行くと席が3つしかない、なんてこともしばしば。
「ダイジョウブ、ダイジョウブ」
とこの調子。適当な椅子にぎゅうぎゅう詰めにされたのだが、彼女の持ち前のキャラクターで、悪い気分にさせられたことは1度もないのだ。

メニューはおよそ 600 種類。どれもお勧めなのだが、この店に訪れるとよく食べるのが
「豆腐の細切り」「空芯菜の炒め」「金針花と黄ニラと豚肉の炒め」など、で青島ビールか紹興酒をいただくのだ。注文を受けると、店員が表に飛び出して、3階にある厨房にメニューを叫ぶ姿、この大雑把な感じが、まるで中国のどこかの食堂にいるような錯覚に陥るのだ。

早い時間帯は比較的空いているが、9時過ぎ以降はほぼ満席。それも中国人がほとんどで、日本人以外は欧米人もちらほら。ここは4、5人で卓を囲んで飲み食いするのが楽しい店である。

スパイスの効いた「蝦の辛炒め」(¥ 1500 )に「青島ビール」(¥ 500 )も進む。夏バテ対策にはもってこいの1品だ。 豆腐の概念が覆される「豆腐の細切り」(写真奥・¥ 800 )は人気メニュー。「金針花と黄ニラと豚肉の炒め」(¥ 1500 )もシャキシャキの食感が楽しい。「金針花」とはユリ科の多年草「金針菜」の花(つぼみ)のこと。
大きな声で店内を取り仕切る名物店長、玲子氏。若い人を応援しようと、 35 歳までの3人以上のグループは飲み物(ビール・紹興酒以外)の持込みが自由というサービスを展開している。 壁一面に貼られたメニューは 600 種類以上。お馴染みの中華料理から、滅多にお目にかかれないような珍品まで、眺めているだけでも面白い。何度も通ってお気に入りの一皿を見つけてみては。

: DATE :
【上海小吃】
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-3-10
JR新宿駅東口・東京メトロ各線新宿駅・西武新宿線西武新宿駅より徒歩6分
電話:03-3232-5909
URL:http://gk.cool.ne.jp/shanghai/
営業時間:

月〜土18:00〜翌05:00
日祝18:00〜翌02:00
定休日:なし
席数:30席
★シチュエーションPOINT
「気の合う仲間と気楽な晩餐!」