打合せで一杯やった後のほろ酔いの帰路、ちょいと寝つかれない夜、仕事をないがしろにしてしまった日の、漠然とした焦燥感に駆られるような気分のとき、この店を訪れる。
「26日の月」は本来写真のギャラリーバーで、作品を眺めながら一杯というスタイルだが、写真家でもあるオーナーの笹山氏は美人ゆえ、カウンターはもっぱら男たちでワイワイと賑わっている。
作品展示は月初めから 15 日、 16 日から月末の２段階で行われ、よって店の壁面は月に２回様変わりする。
とは言ってもこの店は、気軽に楽しめるショットバー、個性豊かで面白い客が集っているので、洋酒を傾けながら、その雰囲気に身を委ねてみるのが面白い。

笹山氏お勧めの「アードベック」（￥900）は、ピートとヨードの香りがたまらない通好みの逸品。	隔週ごとに変化する作品展示。様々なジャンルの写真が店内に彩りを添える。

高田馬場駅前、早稲田通りを渡ったところの高架下に、昼間は立ち食いそば、夜は寿司屋に変わる店の横丁をちょいと下ると、左手２階に怪しげなショットバー「 MOSQUITO 」が現れる。狭い階段を上がるとＬ字型のカウンターは５、６席ほど、その奥になぜか広めの座敷がある。
いつもハンチングを被った気の優しいシャイな弟と、オシャレでチャーミングだけど男らしい姉の２人で店を切り盛りしている。店内は限りなく薄暗く、いたるところに雑貨や小物が散りばめられて面白い。
なんと、ほとんどのドリンクが 500 円のワンコインで飲めるのがありがたいし、それもチャージなしとは涙ものだ。毎夜音楽好きが集い、特にロック系（パンク、サイケ、プログレ、メタル、グラム、ポップ、オルタナ）の話題で賑わっている。座れないときがあるけど、小銭を握り締めて寄ってくれ、でも 1500 円ぐらいは使ってね。

「ギネス」は600円だが、ほとんどのドリンクは１杯500円とリーズナブル。	ビールをはじめ、各種ドリンクが豊富に揃えられている。