2007.9月 File.02

●今週の鳥肌店

下北沢
「鉄板焼 さわ」

●今週のおすすめ

下北沢
[一龍]
[VARIE]

●今週の裏メニュー

「僕が憧れたロック青年の話」

photo by Mikako Honma  

黄金色のスープにウットリ 下北随一の人気ラーメン店

「下北のラーメン屋っていったら『一龍』以外考えられないのよね」

女友達からこの話を聞いたのは、およそ 10年前。その彼女と連れ立って「一龍」のラーメン(この店では「中華そば」)を食べたとき、その旨さに驚いてしまった。

黄金色に白濁したスープは、鶏ガラ、ゲンコツのみを強火で煮出したもので、深い旨みが凝縮され、一見コッテリ風情を漂わせながら、実はサッパリとした口当たりに仕上がっている。余計な味付けがされていない、薄切りのほどよく柔らかなモモ肉の焼豚の、何気なく美味しいこと。この焼豚で中細の縮れ麺を包み込みながらいただくと、またウットリさとさせられる。合間に紅ショウガを一口、いい具合に穢れた口中がリセットされて、さらに食が進むという代物だ。

下北沢に限らず小田急沿線にも新規のラーメン屋が数多くオープンしているが、なんといっても「一龍」の「中華そば」は半端じゃない美味しさ。 1984年の創業から、昼夜客が途絶えることのない、下北切っての人気店である。

「中華そば」(¥ 600 )には4枚の焼豚が。味のバランスが絶妙で、スルスルと胃袋におさまってしまう。サービスの壺漬けも美味。

時間を問わず、店内にはひっきりなしに客が訪れる。店主である坂井夫妻のアットホームな接客も人気を支えている。

: DATA :
【一龍】
住所:東京都世田谷区北沢2-30-11
小田急・京王井の頭線下北沢駅北口より徒歩3分
電話:03-3466-1671
営業時間:11:30〜20:30
定休日:
席数:15席
★シチュエーションPOINT
「散策途中にサクッとうまいもん」

 



柔らかな牛肉をたっぷりいただく絶品ビーフシチュー

ビーフシチューの形態は大きく分けて2つある。1つはデミたっぷりなソースに、牛肉、ニンジン、ペコロスなどがゴロンと転がり、その熱々のソースを味わいながら具をいただく、まさにシチュー感覚のものと、もう一方はソース少なめで、たっぷりの牛肉をメインにいただくものに分かれる。

「VARIE」は後者。ボリュームの牛肉を メインでいただくシチューは実にお得である( 「ビーフシチューセット」 1500 円、 スープ・ライス・サラダつき )。 一口頬張れば、ホロホロと崩れる柔らかな牛肉、嫌味な甘さのない、アッサリとしながら深みのあるデミソースが心地よい。また「タンシチュー」も絶品、廉価の「ステーキセット」もお勧めなのだ。

12、3年前 だったか、友人に紹介されたのが「VARIE」との最初の出合いで、月に1度のペースで通い、ディナーもよくいただいていた。下北からその友人が転居してしまい、しばらくご無沙汰していたのだが、ふと思い出し、店を訪ねたがなくなっているのに驚き、 調べたら駅寄りに移転していたので安心した。

店主の塚田氏はホテルオークラで修行の後に 1978年開店。以前の店舗が手狭だったため「もっと広いところに」という客の要望に応え、4年前、現在の場所に移転したそうなのだ。 客層はちょいと小金持ち風情の 年配者、家族連れ、カップルが多く、落ち着いて食事のできるアットホームな雰囲気がいい。

日替わりの「本日のランチ」 800円、「スペシャルランチ」1200円も大満足。肉料理メインの店ながら、月に1、2度、魚(真鯛・舌平目など)のメニューも登場するそうだ。お勧め。

 

「ビーフシチューセット」(¥ 1500 )は昼夜共通の人気メニュー。牛肉はナイフの必要がないほど柔らかく煮込まれている。

テーブル同士の間隔がゆったりとしているため、車椅子やベビーカーでも安心。下北沢にありながら、家族連れにもやさしい店内設計となっている。

: DATA :
【VARIE】
住所:東京都世田谷区代沢2-29-12 ファミール北沢1F
小田急・京王井の頭線下北沢駅南口より徒歩4分
電話:03-3419-0865
営業時間:11:00〜15:00(L.O14:30)
17:00〜22:30(L.O22:00)
定休日:
席数:20席
★シチュエーションPOINT
「のんびり気取らず洋食ランチ」