インド料理は大きく２つに分けて、北と南に別れる。北の特徴は粉食で、お馴染みのナンというパンで、ドロっとした濃厚なカレーをつけて食べるスタイル。南は米食で、カレーはサラっとして米好きな日本人には最も相性のいい味わいではないか。

しかし、全国にインド料理屋は数多くあるけど、そのほとんどが北インド料理屋ばかり。正直言って、北インド系のカレーはエッジの利いていないぼやけた味わいのものが多く、胃袋にグっとくる店が少ない。ところが、数少ない南インド料理屋のほとんどにはずれがなく、池袋なら、この店が絶対にお勧めだ。

ランチの「ベジタリアンミールス（定食）」、このボリュームが実に得した気分にさせてくれる。サンバル、ラッサムの２種類のサラサラなカレーと、ポリアル（スパイスの炒め煮野菜）、ダヒ（ヨーグルト）、ライスとプーリ（揚げパン）にパパドゥ（豆せんべい）など。好きなように食べればいいが、合間に付け合せのマンゴーのアチャール（インド風梅干？）を含めば、口中がリセットされて、さらに食が進む。スプーンを使わずに、右手でいただくのも面白い、インドを旅しているような気分にも浸れるだろう。また、ドーサ（インド風クレープ）も１度試してもらいたい

彩りも鮮やかな「ベジタリアンミールス」はランチで 1000 円、ディナーでは 2500 円。ディナーではライスとサンバルやラッサムがおかわり自由となる。	お店の雰囲気もまたインド気分を盛り上げる。旬の素材を使用するミールスの各料理は日替わり。店主ラージ氏が、母親に作ってもらった味をアレンジしながら提供している。まさに南インドの“おふくろの味”。

僕は餃子も大好きで、メニューにあったら必ず食べるし、家でも冷凍庫に餃子がなくなりかけると、皮も自家製して 100 個ぐらいは作りおきしている。

池袋東口にある出版社に勤めていた頃、この「東亭」に出会った。昼飯時、同僚と界隈を散策していて、行列の並ぶ店を発見。
「へー、餃子専門店か」
「今日、お客さん来るよな、ニンニク大丈夫かな？」
「だよな、確かお客さんって女の人だったな。餃子だからね、しょうがないよ、ガムおもいっきり噛もうぜ」
と意を決して入店。みな「焼き餃子定食」を注文。登場したのがご覧のもの。餃子６個、かなりの大きさ。そして一口、
「旨いね！　皮もパリパリでいいし、具の粗みじんの野菜が、いい具合いに主張していて存在感があるね」
「いやー、これはいけるわ、オレのお袋が作る餃子にどこか似てるんだよな、懐かしいって感じだけど、レベルが違うな」
「そりゃそうだろう」
勢いが止まらず、口の中を火傷させながら、あっという間に完食してしまった。それからしばらくの間、週に２回のペースで通った。けっこうニンニクが強いけど、クライアントとの打ち合わせがあってもお構いなし、とにかく食べたくて仕方がなかったのだ。

会社を辞めてからもちょくちょく訪れていたが、一昨年改装のため閉店。八百屋と隣接していた建物がなくなり、工事に入ったのだ。そしてめでたく 2006年5月にリニューアルオープン、待ち遠しかった。

店がちょいと狭くなったせいか、前よりも混雑しているような気がする。 余談だけど、店主の名前を初めて知った 、なんと 韮塚さんとは驚いた。いやー、やっぱ餃子に縁の深い人なのだ。なにはともあれ、ここの餃子を１度食べてもらいたい。はまるぞ。また、焼き・生餃子のテイクアウトもできるので、家族へのお土産にもいい。

「餡がぎっしりと詰まった餃子はその大きさのため、15分ほどかけてじっくりと蒸し焼きにされる。特別に鍋蓋を取ってもらって撮影。	1973年の創業以来、「ごはんによく合う」と多くのファンを唸らせる｢焼き餃子定食」（\820）は１番人気。焼き餃子４つ、シューマイ２つが楽しめる「ミックス定食」（￥820）もお勧め。お土産用の生餃子は520円、焼き餃子は550円で販売している（ともに６個入り）。