2007.7月 File.01

●今週の鳥肌店

池袋東口「FullHous」

●今週のおすすめ

池袋東口「ARCO」「名古屋うど」

●今週の裏メニュー

「人柄もまたご馳走なり」

photo by Shigeki Watanabe

ニヒルなマスターが作り出す、ゆったりと落ち着ける空間

池袋北口から文化通りを真っ直ぐ、トキワ通りの交差点を超えて 150 メートルほど進むと、ホテル街の一隅に、「 Full House 」というバーが現れる。ちょいとわかりづらい場所だけど、これがいいのだ。

「 2 軒め行こうよ」
なんて、出会って間もない女性を連れて、暗がりの道をとぼとぼと行けば、
「えっ、一体どこへ連れて行かれるの?」
と思わせながら、ビルの駐車場の半地下をちょいと下るのだ。扉をあければ、創業 20年、燻し銀のグっとディープな大人の世界が広がる。
「なんだ、バーか、よかった……」
と安心させてから、次の戦略は君次第。大きな声じゃいえないけど、僕もちょいと気に入った女性は必ずここへ連れてくる。でもその後は……、僕もまだ未熟者だ。

店内の正面に 10 席ほどの半円形のカウンター、左手奥にボックス席。客層は男女の一人客が多く、または純粋なカップルと怪しいカップルなど。BGMはターンテーブルが奏でるLPレコード、アナログな音楽が静かに流れている。暗がりの雰囲気にいい具合に溶け込んだ、ニヒルなオーナーマスターの岩田氏。彼は余計なことをしゃべらない、正しきバーのマスターである。

リキュールはおよそ 300 種類。僕は普段スコッチばかりだけど、彼女と一緒なら「ミントジュレップ」や、季節で変わるけど「スイカのソルティードッグ」などのカクテルがお勧めだ。

少々小腹が空いていたら、軽い食べ物などもあり、カウンターの脇にデコレートされた、バー定番の生ハム、イベリコ豚の「ハモンセラーノ」もサーブしてくれる。

とにかく、ゆっくりと落ち着いて飲めるいいバーである。
「スイカのソルティードッグ」(¥1,000)と「鴨のリエット」(¥900)。季節を先取った限定メニューのカクテルと料理は、1ヶ月ほどで変更される。どれもが素材にこだわった逸品ばかり。 「LOGAN(ローガン)」(\1,200)は「White Horse(ホワイトホース)」の上級版で、現在は生産されていない貴重品。岩田氏お勧めのブレンデットウィスキーだ。
柔らかな物腰が印象的な岩田氏。BAR初心者にも丁寧に助言してくれるので、気後れせずに大人の社交場を楽しんでもらいたい。 約300種類の酒がずらりと並ぶ店内は、半円形のカウンターを中心に落ち着いた空間が広がる。

: DATA :
【Full House】
住所: 東京都豊島区池袋2-63-6 パレスガーテンミラノB1F
JR池袋駅西口より徒歩10分
電話:03-3987-3809
URL:http://www.geocities.jp/cnryc645/ 営業時間: 月〜土19:00〜04:00
日・祝18:00〜24:00
定休日:不定休(主に日曜)
席数:18席
★シチュエーションPOINT
「今夜が勝負!意外な一面にあの娘もウットリ」