2007.7月 File.03

●今週の鳥肌店

上野・御徒町・湯島「昇龍」

●今週のおすすめ

上野・御徒町・湯島「デリー」 「池の端藪蕎麦」

●今週の裏メニュー

「飲み屋がつなぐ人の縁」

photo by Mikako Honma  

マニアも唸る至福の美味しさ

デリーのカレーに魅了され、その製法を模倣して、自らカレー専門店を立ち上げた職人は全国に数しれず。それほど、ここのカレーにはマニアを虜にする魔力が秘められているのだ。

人気は1番辛口の「カシミールカレー」で、具は骨付きの鶏肉とジャガイモ。固めに炊かれたライスに、茶褐色のサラサラソースをかけて一口味わうと、どの香辛料も突出することのないバランス、旨味のしっかり利いた奥深い味わい、額から汗が滲むほどの、後から押し寄せる辛味がたまらない。合間に、付け合せのキュウリのピクルス、玉ねぎのアチャールと共にいただけば、もう至福の美味しさだ。

辛口が苦手な人は「デリーカレー」、慣れてきたら次に辛口の「インドカレー」と進み、徐々に辛さを慣らしていくのもいいだろう。また、スパイスヨーグルトに漬け込んで焼かれた「チキンティッカ」があり、これもメチャメチャ旨いぞ。ぜひカレーと共に味わってもらいたい。

辛さと旨味が人気の「カシミールカレー」(¥ 900 )。店頭や「デリー」HPからは、レトルトカレーも購入できる(2人前・ 350 グラム入り・¥ 630 )。カレーだけでなく、スパイスやドレッシングなども販売している。 「タンドリーチキンティカ」(¥ 800 )は、1口大にカットされているので女性が一緒でも安心してオーダーできる。好きなカレーとサラダ、ドリンクが楽しめる「タンドリーチキンセット」(¥ 1,700 )も人気。

: DATA :
【 デリー 】
住所:東京都文京区湯島3-42-2
JR御徒町駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線 上野広小路駅より徒歩5分
東京メトロ千代田線 湯島駅より徒歩5分
都営大江戸線 上野御徒町より徒歩5分
電話:03-3831-7311
URL: http://www.delhi.co.jp
営業時間:11:50〜21:30(L.O)
定休日:無休
席数17席
★シチュエーションPOINT
「会議前に気合を入れよう」

 



つまみでも〆でも楽しめる サッパリとした和風固焼きそば

蕎麦はその配合の打ち方によって、呼び名が異なるのをご存知だろうか。

大雑把に、十割、二八(にはち)、外一(そといち)と区別され、十割は、文字通り蕎麦粉だけをつなぎなしで打ったもの、二八は、そば粉8割に対して小麦粉2割だ。外一はそば粉 10 に対して小麦粉1割で、「池の端藪蕎麦」はこの外一を取り入れ、さらに蕎麦粉は、蕎麦の実の表面を覆う甘皮を一緒に挽いたものを使用、どこか野性味のある風味食感を表現している。また、甘皮を取り除いた中の白い部分だけを使った蕎麦粉をメインに打つ蕎麦屋もある。

「藪蕎麦」の起源は明治 13年、神田淡路町の「神田藪蕎麦」に始まり、大正2年、浅草並木町の「並木藪蕎麦」に分かれ、昭和29年、上野池之端に「池の端藪蕎麦」として分家したそうだ。

湯島、上野、御徒町の散策の合間によく立ち寄らせてもらう店で、ちょいと酒を飲むなら、気の利いた蕎麦屋ならではの乙なメニューが豊富にあり、実に楽しい。〆は、「ざるそば」か「いそゆきそば」、または「天ざる」で腹を満たしている。

中でも面白いのが、 「巣ごもりそば」だ。これは中華の固焼きそばをヒントに、先代が 30 年前に考案したそうだ。低温の油で蕎麦を揚げ、その上に餡かけの具( 鶏肉、かまぼこ、えび、きぬさや、白きくらげ、しいたけ、ねぎ、うずら )を あしらったものだ。和風の餡が絡んだパリっとした蕎麦の食感、具それぞれがやんわり調和し、サッパリとして実に心地よい。酒のつまみにもいいし、〆のメインとしても納得の逸品だろう。

鰹だしの香り高い「巣ごもりそば」(¥ 1,600 )。 2 、 3 人で分け合いながら酒のつまみとしてもいいだろう。 お土産として店内で販売されている「韃靼蕎麦茶」(¥ 750 )と「蕎麦みそ」(¥ 750 )も人気。「蕎麦みそ」は藪蕎麦各店でレシピが異なるという。池の端では蕎麦の実やゴマが入っている。
人気店ゆえ、土日の昼間は待つことも。開店直後か、のんびり周辺を散歩しながら時間帯をずらすのがお勧め。

: DATA :
【池の端藪蕎麦 】
住所:東京都文京区湯島3-44-7
JR上野駅より徒歩10分
JR御徒町駅・東京メトロ千代田線湯島駅より徒歩8分
電話:03-3831-8977
営業時間:平日 11:30〜14:00(L.O)
16:30〜20:00(L.O)
日・祝 11:30〜20:00(L.O)
定休日:
席数53席
★シチュエーションPOINT
「蕎麦をつまみに粋な男を演出」